国公立・私立医学部の入試倍率を徹底比較【関東版】

受験生に人気の高い東京周辺にある医学部医学科の入試倍率を直近3年分の推移で比較解説しています。

東京や関東圏の医学部は志願者数が多く、私立大学では入試倍率が高くなる傾向があります。

国公立大学の入試倍率はそれほど高くはありませんが、足切りによって二次試験に進む人数を絞る大学もあるため、入試倍率が低いからといって合格が容易とは限りません。

倍率はあくまで参考として見ておくことをおすすめします。

この記事では、東京及び関東圏にある医学部の入試倍率をご紹介します。

2018年・2019年・2020年の入試倍率を一覧でまとめていますので、近年の入試倍率の傾向を知る参考としてお役立てください。

東京及び関東圏の医学部入試倍率一覧【2020年度】

東京及び関東圏の医学部入試倍率一覧【2020年度】

東京及び関東圏の医学部入試倍率を一覧にまとめました。

2018〜2020年の3年間で各大学の倍率はどのように推移しているのか、近年の医学部入試倍率の傾向を見ていきます。

※入試倍率の算出方法:志願者数/合格者数(追加合格を含む)

国公立大学医学部の入試倍率【前期日程】

大学名 2020年 2019年 2018年
東京大学 4.3 4.2 4.6
東京医科
歯科大学
3.6 3.5 3.8
筑波大学 2.2 2.6 3.7
群馬大学 2.4 3.7 2.5
千葉大学 3.2 3.2 3.0

入試倍率の傾向

2020年度の国公立大学医学部全体の入試倍率は4.0倍であり、前年の4.4倍からダウンしました。

東京・関東圏の医学部入試倍率は、2020年度は3.1倍、2019年度は3.4倍で、こちらも前年度からダウンしています。

東京・関東圏の医学部は受験難易度の高い大学が多く、少ない定員数に優秀な受験生ばかりが集まっています。

加えて、国公立大学では前後期でそれぞれ1校ずつしか出願できません。入試倍率はそれほど高くなくても、受験生の学力は非常に高いということです。

また、国公立大学の医学部では、共通テスト(旧センター試験)の成績で二次試験に進む受験生を絞る「足切り」を設けている場合があります。

東京・関東圏の医学部の場合、東京大学・東京医科歯科大学・千葉大学で足切りが実施されました(2020年度)。

足切りにあってしまうと、各大学で実施される二次試験には進めません。

入試倍率は参考程度とし、偏差値や足切りのボーダーラインを重視して出願先を決めることをおすすめします。

国公立大学医学部の入試倍率【後期日程】

大学名 2020年 2019年 2018年
東京医科
歯科大学
15.3 18.4 14.5
千葉大学 13.3 16.4 18.4

入試倍率の傾向

東京・関東圏で後期日程を設けている大学は少なく、東京医科歯科大学・千葉大学の2校のみです。

国公立大学医学部全体における2020年度後期日程の入試倍率は14.0倍、東京・関東圏に絞ると14.4倍でした。

前期日程と同様に、後期日程でも入試倍率は年々減少傾向にあります。

前期日程で合格した場合や私立大学に進む場合など後期を受けない受験生も多いため、実際の受験者数は志願者数よりも大幅に少なくなります。入試倍率が高いからといって、後期受験を諦める必要はありません。

ただし、東京医科歯科大学・千葉大学は後期日程でも足切りを設けています。

前期日程と同じく、足切りのボーダーラインはチェックしておきましょう。

私立大学医学部の入試倍率【一般】

私立大学医学部の入試倍率【一般】

大学名 2020年 2019年 2018年
杏林大学 13.1 14.3 19.4
慶應義塾
大学
8.4 9.6 8.5
順天堂
大学
10.4 11.7 16.4
昭和大学 11.4 13.8 12.8
帝京大学 46.8 37.1 52.8
東京
医科大学
11.4 7.3 17.2
東京
慈恵会
医科大学
5.9 6.4 7.5
東京女子
医科大学
7.3 8.6 9.3
東邦大学 21.6 20.4 28.8
日本大学 19.7 19.9 23.0
日本
医科大学
13.2 14.3 26.4
東海大学 26.3 33.1 38.0
聖マリアンナ
医科大学
18.3 14.6 26.3
国際医療
福祉大学
8.3 9.3 11.4
自治
医科大学
22.2 20.6 17.8
獨協
医科大学
13.3 14.6 12.2
埼玉
医科大学
15.3 13.0 28.9
北里大学 8.2 6.2 14.1

入試倍率の傾向

2020年度の私立大学医学部全体の入試倍率は14.9倍であり、前年度と変わりありませんでした。

東京・関東圏の医学部の場合、2020年度の倍率は16.8倍と、2019年度の15.3倍からアップしています。

しかし、2018年度は20.6倍であり、私立大学の入試倍率には大きなアップダウンがあることがわかります。

大学の入試倍率は前年度の影響を受けて増減しやすいですが、私立大学では特にその傾向が強いです。

東京医科大学の2020年度志願者数は前年比199%と大きく増加し、入試倍率も上がりました。2019年度は募集定員を大きく減らしたため、2020年度はその反動があったと考えられます。

また、聖マリアンナ医科大学でも2019年度は志願者数が大幅に減り、倍率が大きくダウンしました。その影響を受けて2020年度入試では志願者数が増加、倍率も大きく上がっています。

全体的に私立大学では入試倍率にかなり差があり、偏差値が高い医学部ほど倍率は低い傾向があります。

慶應義塾大学・順天堂大学・東京慈恵会医科大学は他大学と比べ倍率は低めですが、すべて偏差値上位の医学部であり受験難易度は高めです。

入試倍率が低いから合格が容易とは限らない

入試倍率が低いから合格が容易とは限らない

国公立大学・私立大学ともに、入試倍率が低いからといって医学部への合格が容易とは限りません。

偏差値上位の大学を受ける受験生は学力のレベルが高く、倍率が低めでも合格を掴み取るのは難関です。

特に国公立大学では足切りを設ける医学部も多いため、共通テスト(旧センター試験)の結果によっては二次試験を受けることすらできません。

また、医学部の志願者数や入試倍率は前年度の影響を受けやすい傾向があります。

去年の志願者数が少なかった医学部は、今年は急増するかもしれません。出願先を決める際は入試倍率が気になるものですが、倍率だけに左右されないように気をつけましょう。

【まとめ】あくまで参考程度に

志願者数が多い東京及び関東圏の医学部では、特に私立大学で入試倍率が高くなる傾向があります。

国公立大学は前後期で1校ずつしか出願できないため、受験難易度が高めの東京や関東圏の入試倍率はそれほど高くはありません。

しかし、学力レベルの高い受験生が集まっているため、入試倍率が低いからといって容易に合格できるわけではないのです。

国公立大学・私立大学の入試倍率は、前年度の志願者数や入試方式の変更の影響を受けて大きく増減する傾向があります。

入試倍率の推移や傾向を見ておくことは大切ですが、倍率だけで出願先を決めるのは避けた方がよいでしょう。あくまで参考程度に留めておくことをおすすめします。

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